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| 始めに 最近まで、ヒアルロン酸(以下HAと略記する)レセプターとその生物学的意味に関する詳細な知識は、リンクタンパク質スーパーファミリーの一つで白血球や腫瘍細胞の接着や移動を促進する分子であるCD44のような分子にほとんど限られていた。ヒトゲノムマッピングプロジェクトの出現とDNAデータベースの拡張に伴いこの状況は変わりつつあり、実際今ではいくつかの新しいHAレセプターが同定されている。そのようなレセプターのひとつがこの総説の主題であるLYVE-1であり、その存在はリンパ管とリンパ洞の内皮に限定されている。そしてそこはHA分解が起きている主な部位であり、また白血球や転移腫瘍細胞がリンパ節へ移動する際に通る部位でもある。今回私が要約するのは、LYVE-1の分子的特徴、その機能制御とその想定される生理的な役割である。加えて、最近の三次元構造解析に基づいたLYVE-1とCD44とのHA結合ドメインが非常に良く似ていることの概要を示し、それらが同じ制御機構のもとにあることを示す予備的証拠について論ずる。最後に、分子マーカーとしてのLYVE-1がいかに、リンパ管系生物学における先駆的研究に貢献しているかを要約する。 |
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| ヒアルロン酸とリンパ系との密接な関係 |
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| 代謝分解の事を除くと、グリコサミンとしての観点において、リンパ管におけるHAの循環が白血球血管外遊走のための接着基質としてどういう役割を果たしているか、という点で興味深い12。たとえば、血液脈管内では白血球と内皮細胞の両方の表面にHAレセプターCD44が存在し、炎症部位における血管外への移動を容易にするが13,14,15、ここでは局所的なサイトカインの遊離に応答してHA合成が上昇する。しかしながら興味深いことに、CD44はリンパ脈管には存在せず、むしろ関連はあるが別の分子であるLYVE-1(Lymph Vessel Endothelial HA receptor - 1)が主なHAレセプターである16,17。 |
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| LYVE-1、主要なリンパ管ヒアルロン酸レセプター LYVE-1は、多くのHA結合タンパク質と同じく、リンクタンパク質スーパーファミリーの一つである。このファミリーは、すべて“リンク”モジュールと名づけられた共通のHA結合ドメインを持っており、その3次元構造は、C型レクチンの折りたたみ構造と似ている18,19[このシリーズのDay, A. J. の総説を参照]。 LYVE-1は、完全長のCD44Hのアミノ酸配列をcombined Human Genome Sciences / TIGR ESTデータベースでホモロジー検索した結果、同定された。LYVE-1は322アミノ酸残基からなる内在性膜糖タンパク質でN-末端に 1つリンクモジュールがあり16,17,20、その膜―近位ドメインの終末は、高度にO-グリコシル化されていると予想される16(図2)。O-グリコシル化の程度はかなり大きく、SDS-PAGEの際、アミノ酸配列から推測される分子量に比べ20 kDa程大きい分子量(60-70 kDa)を示すという変則的な移動が見られるのは、大部分このためである。LYVE-1の変わった性質は、細胞外ドメインのC-末端に対になっていないシステイン残基(図3のCys 201)があるからで、それは分子間ジスルフィド結合の形成に関わる(Nightingale T. and Jackson D.G.、未発表)。共有結合LYVE-1 2量体の生理的意味はまだ不明である。最も高い相同性を示すCD44と同じく、LYVE-1は1つのシステイン残基を含む20残基からなる疎水性ドメインにより膜に固定されており、末端70残基が細胞内領域に存在する(図3)。実際、LYVE-1とCD44との間の主な差異は、LYVE-1では膜−近位ドメインが短いこと、リンクモジュール内に5ヶ所でなく2ヶ所の共にシアリル化された糖鎖をもつN-グリコシル化部位があることである(図3)。しかしながら、アミノ酸配列ではLYVE-1とCD44の相同性は43%しかなく、唯一非常に相同性が高い領域はHA結合ドメインのリンクモジュールである16。このことは、二つのレセプターは早い時期に遺伝子重複した後それぞれ進化し分かれた結果と考えることができる。 |
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| リンクドメインの機能から確認されるように、トランスフェクトしたCOS細胞あるいは293T細胞の細胞表面に完全長で、あるいは可溶性の2量体のFc融合タンパク質として発現させたLYVE-1は、可溶性HAにも固定された高分子HAにも結合する16(図4)。実際、LYVE-1はレセプターとしてHAに高い特異性を示し、ヘパラン硫酸やコンドロイチン硫酸などの他のグリコサミノグリカンを用いた競合的結合実験によれば、これらのmM濃度の範囲では結合を阻害しない16,17。このことが、コンドロイチン硫酸との結合が報告されているCD44よりも、LYVE-1の方がHAに特異的に結合するということを示すかどうかはわからない。というのも、このようなグリコサミノグリカンの試料には、HAが混合していることが多いからだ。LYVE-1とHAの絶対親和性はまだ決定されていないが、この問題は、LYVE-1の予想される生理的機能とかなり関係が深い(後で取り上げる)。CD44の場合、HAとの親和性はかなり低い(Kd > 100μM)と見積られており21(Day A. J.、私信)、このことはHAが関与する細胞移動における役割(セレクチンとその糖鎖リガンドの関係と似た、リガンドとの多くの弱い結合が絶え間なくできたり壊れたりしている)と合致する。LYVE-1とCD44 Fc 2量体とのHA結合曲線の比較すると、二つのレセプターの親和性はかなり似通ったもののようである16。しかし、LYVE-1のHA結合親和性について信頼性できる評価をするにはLYVE-1単量体を用いた測定が必要であろう。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| LYVE-1の最も際だった特徴は組織での発現パターンにある。ノーザンブロットとRT-PCRを用いた非常に初期の組織分布の解析から、LYVE-1の発現パターンが通常とは異なるということがわかってきた。少なくとも転写物は、造血細胞にも線維芽細胞にも上皮細胞にも見つけることはできず16、これらの細胞系の主なHAレセプターであるCD44とは好対照である。さらに、いくつもの異なる大きさのアイソフォームがあるCD44とは異なり、LYVE-1は1種類しかなく、コーディングエクソンに対する選択的スプライシングは行われていないようである。LYVE-1特異的な抗体を免疫組織学に用いた時に、大きな発見がなされた。これらの研究が示したのは、皮膚、腸、2次リンパ組織の脈管構造において常時LYVE-1が強く染まることである。特に染まったのは、内腔を囲む薄い内皮細胞の裏打ちのある脈管であり、それは時には空の脈管であったが、常に赤血球が欠けていた(図5)。これらの管が血管ではなくリンパ管であることの同定は、二重染色でCD34、von Willebrand因子、CD44のような血管マーカーでは染色されないこと、そしてVEGFR3(チロシンキナーゼレセプターで、リンパ管増殖因子VEGF-Cからの分裂シグナルを伝達する)や内在性膜ムコプロテインのポドプラニンのようなリンパ管内皮分子との共発現によって確かめられた16,17,22。続く研究から、さらに最もLYVE-1を発現している脈管は、初期胚形成においてリンパ管内皮分化に特異的に作用する転写因子PROX-1を発現していることが確認された23,24。LYVE-1は今ではリンパ管内皮のもっとも特異的なマーカーとして認められ25、正常または腫瘍の組織におけるリンパ管形成やリンパの機能を探る研究においては、リンパ管と血管を識別することに計り知れない価値を持っている(後で考察)。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| LYVE-1とその予想される生理的機能 LYVE-1がほとんどリンパ管にしか存在せず、その発現がCD44と共存することがないという観察は興味深い。明らかにLYVE-1の性質はリンパ管内皮に特化した機能に合わせて仕立てられているに違いないが、その機能とは何であろうか? |
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| もう1つの可能性は、LYVE-1が主に細胞接着に関与して、内皮細胞と白血球との相互作用を促進する、あるいは逆にそれを阻害することである。リンパ輸入管の主要な機能の1つは、抗原提示樹状細胞と活性型リンパ球に対して導管として働くことであるが、そのどちらもその活性型であるHA結合状態でCD44を発現することが知られている。もし、HAがリンパ輸入管の内腔表面上に捕捉されているなら、このことは白血球の輸送を妨げ、閉塞へ導くかもしれない。実際、リンパ管内皮細胞上のLYVE-1のHA結合なしの状態は、モoffモ 状態であるらしい。例えば、ビオチン化したHA結合タンパク質(アグリカンのG1領域とリンクタンパク質の複合体)を用いた組織におけるHAの免疫組織学的な検出では、内皮と結合したHAあるいはLYVE-1と共存するHAを示すことができなかった。同様に、FITC標識のHAで組織を灌流した時、リンパ管によるHAの捕捉は見られず、また予めヒアルロニダーゼ処理で内在性グリコサミノグリカンを除去しておいても結果は同様であった。LYVE-1を発現している新しく単離したリンパ管内皮細胞でも、蛍光顕微鏡とFACS分析で評価すると、培養中にHAと結合しない(Nightingale T. and Jackson D.G., 未発表)。おそらく機能的に不活性の状態ではLYVE-1は、ロイコシアリンとエンドムチンのようなムチン様糖鎖を運ぶ他のシアリル化糖タンパク質で提唱されているのと同様な抗接着機能を果たしているのであろう。たぶんLYVE-1は、最も近い相同性を示すCD44の場合と同じに、適切に活性化された後でのみ接着するようになるのだろう30。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| LYVE-1とヒアルロン酸との相互作用の制御 炎症性サイトカインによる白血球におけるCD44の活性化は、ある特定の細胞-細胞外マトリックス相互作用が外部からのある特定の合図で制御される仕組みの明快な例である。正確に言えば、どのようにしてそのような活性化がなされるのかが徐々に明らかになりつつあり、この章で短く要約されるCD44の構造解析を進めることでさらにこの問題は解明されつつある。活性化に対する主要な機構の1つは、リンクモジュールを含むCD44のHA結合ドメインにあるN-型結合糖鎖5カ所中の1つ以上の部位で起きるリモデリング31,32であるらしい。幾つかの細胞種で、HA結合性の喪失はCD44のシアリル化と関係しているらしい33。例えば骨髄細胞のHA結合は、シアリル化N-型グリカン鎖を酵素的な分解で33、ホルボールエステル処理で34、あるいは内因性のシアリダーゼ活性を誘導する35ような状態に曝すことで顕在化される。さらに、ある2つのN-グリコシル化部位(Asn25とAsn120)を破壊すると、数種の“誘導可能”細胞系でHA結合を常時“活性”型にすることができる32。 |
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| 最近明らかになったCD44の三次元構造(図7)から、伸長したHA結合ドメインは2つの直交するαへリックスと、1つの長いくねったβシートを作る全部で10本のβ鎖から構成されることが示される36。このシート内では、共通リンクモジュールの6本のβ鎖(β1-β6)はN-末端とC-末端の伸長領域から出てくる4本の追加的β鎖(β0, β7, β8, β9)によって補強されて、はっきり区別できる葉状構造を作り(図7+8)、主要HA結合面の面数が増えることで、HA6糖への結合から、8糖にも結合できる可能性がある36。拡張CD44リンクモジュールの最も注目すべき特徴は、キーとなるN-グリコシル化部分(Asn25)がHA結合表面の中央の近くに配置するので、(適切に修飾されれば)おそらく立体障害によってそこの糖鎖がHA相互作用を阻害する可能がある(図8)。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| LYVE-1もこのような特徴を持つのだろうか、またCD44と似たやり方でHA結合能を制御しているのだろうか?この2つの質問に対する答えは、十分にイエスである。最初に、LYVE-1における共通リンクモジュールはC61, 85, 106, 128 (C2, C3, C4 ,C5),の4つの保存されたシステイン残基であり、CD44のそれのように2つの付加されたシステイン残基(C1とC6、図3)でくくられていて、その間にはいくつかの残基が入っている(C1-X24-C2-X23-C3-X20-C4-X20-C5-X10-C6)。これはCD44と同じで、この部分の残基配列の相同性は57%である16,17(図3参照)。またCD44と同じく40、付加された2つのシステイン(及びC末端直近からC139までの領域)が完全に揃った状態で有ることが、LYVE-1のHA結合ドメインの折りたたみとグリコサミノグリカンとの結合に重要であることが、大腸菌における発現/再折りたたみ実験とLYVE-1の細胞外ドメインのFc融合構造の段階的切り詰め実験結果からわかった(Banerji S. Nightingale T. and Jacjson D.G.、未発表)。第2に、LYVE-1 配列は、共通リンクモジュールのC末端側下流に塩基性残基(R195RKK198)の部分を含んでおり、HA結合に貢献するCD44の拡張リンクモジュールの“突き出し”部分のそれ(R150DGTRYTKK158)と同じではないが似ている(図3 参照)。これらの実験から、LYVE-1のHA結合ドメインは共通リンクモジュールの境界を越えて広がっていることが示された。第3に、CD44結晶の座標を用いてLYVE-1のHA結合ドメインをモデル化すると、接触する可能性のある3つのアミノ酸残基Lys46、Try87およびAsn109は、CD44における対応部分に対して同じ位置を占めることができるよう見える。更に、LYVE-1の2つのN-グリコシル化部位の位置は、CD44でHA結合を制御するとされているものと同じ場所(Asn130)か、または少なくともおおよそ同じ場所(Asn53)である(図9)。LYVE-1におけるHA結合部位の場所と方向は今のところまだ正確には決まっていないが、もし、この部位で糖鎖が適切に修飾されれば、CD44に対してと同様にHA結合またはレセプターの自己会合に基づく立体効果によりレセプター機能を制御するかも知れない36。この興味深い可能性をはっきりとさせるため、構造解析のための可溶性グリコシル化LYVE-1を発現させる努力が現在進行中である。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
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| LYVE-1/HA相互作用誘導の機構 構造に基づいた論争は別として、LYVE-1の機能制御がCD44と同じ方法で行われていることの実験的証拠もある。われわれの実験室の予備実験から、HA結合の程度は大部分細胞の種類に依存しているが、細胞の活性化によっても誘導されることが示された。先に概要を述べたように、LYVE-1をトランスフェクトした293T細胞とCOS1細胞のレセプターはHAに結合するが、一方、初代リンパ管内皮細胞の内因性レセプターは機能的に“オフ”になっているようで、すなわちHAに結合しない。加えて、子宮頚癌やBリンパ腫細胞系などの他の細胞種にLYVE-1をトランスフェクトしてもHA結合は見られなかった。この特徴は、CD44でも同じで、スイッチの“オン”、“オフ”が起きることが白血球や腫瘍細胞系のレセプターのデータからわかっている(ref.31参照)。LYVE-1をトランスフェクトした293T細胞にフォーボルミリステートアセテートを加えるとモ活性化モされ、HA結合が3〜5倍に増えることを見つけた。このことは“弱い結合”の白血病細胞系のCD44が、in vitroでフォーボルエステルか炎症性サイトカインの処理(in vivoで炎症中に循環しているリンパ球中のCD44の“活性化”を再現した条件)によって、HA結合が誘導されるという以前発表された知見とよく類似している。論じたように、CD44のHA結合を誘導する機構は多くの造血系細胞ではN-グリカンの脱シアリル化と関連があるらしく、そのいくつかは直接HA結合ドメインに影響を及ぼす。293T細胞で、LYVE-1に対するHAの結合がPMAで誘導されることは、同様な修飾が関連しているように思われる。さまざまな実験の結果をまとめると(Nightingale T. and Jackson, D. G., 原稿準備中)、293T細胞のPMAで誘導されるHA結合は、存在しているレセプターの除去と対になって生じる翻訳後修飾による“活性”型のde novo 合成と関連があることを分かった(図10)。この修飾がN-グリカンのリモデリングを引き起こす可能性は、フォーボルエステルによる誘導がtunicamycin処理でブロックされる結果と、2つのN-グリコシル化部位への特異的突然変異導入法(元々のLYVE-1の三次元構造が維持されるような条件下)の結果から支持される。 |
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| リンパ管におけるLYVE-1とそのリガンドHAとの相互作用は厳密に制御されていること、そしてそのメカニズムは血液脈管におけるCD44-HAの相互作用の制御機構とかなり似かよっていることが徐々に明らかになってきた。しかしまだはっきりしないところがあり、LYVE-1グリコシル化のパターンが、機能的に沈黙している細胞(すなわち、リンパ管内皮細胞)と293T細胞のような機能的に活性化されている細胞とどう異なっているかは未知である。現在進行中の実験は、この疑問の答えをさぐっている。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||
| リンパ管の分子マーカーとしてのLYVE-1 ここまでの章では、LYVE-1の構造や生理学的機能の可能性についての最近の研究について論じてきた。それらは、LYVE-1に対するひとつの視点である。もうひとつの視点は、胚のリンパ管形成の研究におけるリンパ管内皮の同定23のための分子マーカーとして、病理組織切片の血管とリンパ管の区別41のための分子マーカーとして、このレセプターを使うというものである(図5参照)。リンパ管に関する基礎生物学の知識は、血管系のものに比べ遅れているが、それは主に特異的なマーカーがなかったからである25。しかし、LYVE-1(およびVFGFR3とポドプラニンのような他の分子)が同定され、リンパ研究の新しい時代が開けてきた。 |
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結語 この総説は、LYVE-1とそのリンパ管上皮、脾臓上皮と肝臓類洞における特異的な発現とその正確な生理学的機能の謎とに焦点を当てたものである。加えて、最近の構造解析に基づくLYVE-1とCD44の類似性の概要について述べた。このことから、これら2つのレセプターはリンクタンパク質スーパーファミリーの別々の枝を形成し、その枝は特異的な細胞外シグナルに反応してHA結合親和力を制御する能力を進化させたことが示唆される。LYVE-1の研究はまだ始まったばかりで、その大きな研究目的のひとつはin vivoでのLYVE-1/HA相互作用のスイッチのオンオフ方法を明らかにすることであり、また、これらの相互作用がリンパ管における細胞の移動を制御しているのか、あるいはHA代謝を制御しているのかを明らかにすることである。更なる研究が、LYVE-1がシグナル発生分子かどうか、レセプターがリンパ管内皮細胞表面から放出されるかどうか、遺伝子発現制御はどうなっているかを明らかにするであろう。また、LYVE-1遺伝子ノックアウトマウスが最近構築されたので、この分野の研究が一層進むであろう。 |
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