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Apr 01, 2024

効果的な糖鎖リモデリングを可能にする
オキサゾリン供与体
(Glycoforum. 2023 Vol.27 (2), A6)
DOI: https://doi.org/10.32285/glycoforum.27A6J

正田 晋一郎

正田 晋一郎

氏名:正田 晋一郎
東北大学名誉教授
1981年東京大学大学院博士課程修了、理学博士。有機合成化学分野において、フッ化グリコシル化法を開発。その後、スイス連邦工科大学博士研究員(1984-1986)。帰国後東北大学に移り、フッ化糖・糖オキサゾリンを用いる酵素的グリコシル化法の開発研究に従事。1999年東北大学大学院工学研究科教授(機能高分子化学分野)。日本学術振興会学術システム研究センター研究員(2003-2005)。専門は新規グリコシル化法の開発。最近は保護基を用いないグリコシル化反応の開発研究を展開。受賞:1986年日本化学会進歩賞、1993年科学技術庁注目発明賞、2002セルロース学会賞、2013有機合成化学協会賞、2019年市村学術賞 など。

序文

糖オキサゾリンは糖質科学における重要かつ有用な化合物である。本稿では、糖オキサゾリンがどのように糖質科学の舞台に登場し、糖鎖リモデリングに用いられるようになったのか、その歴史的背景と反応のロジックを解説する。前半では、ヒドロキシ基が保護された糖オキサゾリン誘導体の合成と応用について述べる。後半では、無保護の糖オキサゾリンの化学に焦点を当てる。“水中におけるアノマー位直接活性化”という新しい考え方に基づく調製法、ならびに糖オキサゾリンを用いた酵素的グリコシル化について、キトオリゴ糖や糖タンパク質の合成を例に挙げながら紹介する。

1. はじめに

自然界には、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)がβ-グリコシド結合でつながった骨格(N-アセチル-β-グルコサミニド骨格)をもつオリゴ糖、多糖、糖タンパク質などが数多く存在しており、生物学的に重要な役割を担っている(図 1)。ラクト-N-テトラオース1は、母乳中に含まれるオリゴ糖の一つであり、乳幼児の腸内環境の改善に有効であることが知られている1-3。キトオリゴ糖(GlcNAcがβ-1,4グリコシド結合を介して直線的につながったオリゴ糖)2は、植物の抵抗反応を誘導するエリシターとしてはたらくことが明らかにされている4,5。糖タンパク質3における糖鎖は、タンパク質の安定性や活性に影響を与える。貧血治療薬として使われているエリスロポエチンにとって、N-アセチル-β-グルコサミニドを含むシアロ型オリゴ糖鎖の存在は、生体内での活性発現に不可欠であることが知られている6

図1
図 1. N-アセチル-β-グルコサミニド骨格(赤で示した部分)を含む糖質天然物

糖オキサゾリンは、糖化学においてN-アセチル-β-グルコサミニドを合成するために最もよく用いられるビルディングブロックの一つである。糖オキサゾリンは、ピラノース環(六員環)とオキサゾリン環7(五員環)が、ピラノース環の炭素1(アノメリック炭素原子)と炭素2がつくる辺を共有してできる縮環構造を有している(図 2)。

図2
図 2. 糖オキサゾリンの基本骨格

さて、“逆合成 ”は有機化合物の合成経路をデザインする際の非常に有用な考え方である。逆合成的解析は、最終目的化合物から簡単な出発原料にたどり着くまでのルートを構築することにより行われる8N-アセチル-β-グルコサミニドを逆合成してみよう。グリコシド結合の切断と同時に2-アセタミド基のカルボニル酸素をアノメリック炭素に攻撃させると、合成素子としてオキサゾリニウムイオンにたどり着く(図 3A)。この解析により、実際にフラスコ内で行われる反応は、プロトン(H+)触媒存在下、アルコールによる糖オキサゾリンの開環反応であることが分かる(図 3B)。事実、1-O-アシル糖のグリコシル化において、糖オキサゾリンが重要な中間体であることが報告されている9

図3
図 3. N-アセチル-β-グルコサミニドの逆合成(A)と合成(B)
A: 逆合成解析では、最終目的化合物から合成素子に向かって白抜きの矢印が用いられる。
B: アルコールの糖オキサゾリンへの付加反応によるN-アセチル-β-グルコサミニドの合成

本稿では、前半においてヒドロキシ基が保護された糖オキサゾリンの化学を紹介する。保護された糖オキサゾリンの既往の合成法を解説し、それら糖オキサゾリンを供与体として用いる化学的グリコシル化にふれる。後半では、ヒドロキシ基が保護されていない無保護の糖オキサゾリンについて述べる。最近、ホルムアミジン型反応剤を用いる無保護糖オキサゾリンの一段階合成法が開発され、保護基を用いることなく複雑な構造の糖オキサゾリンの合成が可能になった。その結果、無保護糖オキサゾリンを供与体とする化学-酵素的グリコシル化反応を駆使することにより、糖タンパク質などの複合糖質の合成研究に大きな進展が見られたので、その経緯を説明する。

2. 保護された糖オキサゾリンの化学

2-1. オキサゾリン骨格の形成

ヒドロキシ基が保護された糖オキサゾリンは、種々のN-アセチル-β-グルコサミニドを合成する際の糖供与体として広く利用されている10。保護された糖オキサゾリンは酸性条件下、無保護糖、アセチル化糖、あるいは塩化グリコシルを出発原料として合成できる。例えば、無保護のN-アセチル糖に塩化アセチル中で塩化水素を作用させ、引き続き銀塩と2,4,6-コリジンで処理することにより、アセチル基で保護された糖オキサゾリンが得られる11図 4, A法)。また、アセチル化糖に塩化鉄(Ⅲ)12、塩化スズ(Ⅳ)13、トリメチルシリルトリフラート14のようなルイス酸を作用させることによっても合成することができる(図 4, B法)。酸性条件下、メチルグリコシド誘導体の加酢酸分解による糖オキサゾリンの合成例も報告されている15

一方、塩基性条件下で糖オキサゾリンを得ることもできる(図 4, C法)。炭酸水素ナトリウムの存在下、保護された塩化2-アセタミド-2-デオキシ-α-グリコシルに塩化テトラアルキルアンモニウムを作用させることにより目的物が得られる16。この反応には、α体の塩化グリコシルをβ体に異性化する塩化物イオンとアセタミド基からプロトンを引き抜く一般塩基という二種類の試薬が必要である。最近、フッ化カリウムのみを用いる簡便な合成法が開発された。フッ化カリウムは、塩化グリコシルを異性化させるための求核剤および反応系内に生ずる酸を補足する塩基としての役目を同時に果たしている17,18。この方法の特色は、従来法のように反応混合物からの除去が困難な第四アンモニウム塩を用いる必要がないことである。

図4
図 4. アセチル基で保護された糖オキサゾリンの合成
A: CH3COCl/HCl–銀塩/2,4,6-コリジン11
B: 塩化鉄(Ⅲ)12,塩化スズ(Ⅳ)13,TMSOTf14
C: NaHCO3/R”4N+Cl-
16,KF17,18
2-2. オキサゾリン供与体を用いるグリコシル化19

適切に保護された糖オキサゾリン誘導体を用いることにより、N-アセチル-β-グルコサミニドを立体選択的に合成することができる。活性化剤として、イッテルビウムトリフラート(Yb(OTf)320p-トルエンスルホン酸(p-TsOH)11、塩化鉄(FeCl39、トリメチルシリルトリフラート(TMSOTf)21,22、カンファ―スルホン酸(CSA)23、塩化第二銅(CuCl224、ピリジニウムトリフラート25、トリフルオロボランジエチルエーテル錯体(BF3-OEt226などが用いられる。このオキサゾリン法は、強酸性条件下で行う場合が多く、酸に弱い官能基との相性がよくないという問題点があるものの、いくつかの重要な応用例が報告されている。例えば、グルコサミンのメチルオキサゾリン誘導体をモノマーとするハイパーブランチアミノ多糖の合成が報告されている27,28図 5)。

図5
図 5. 部分的に保護された糖オキサゾリンをモノマーとするハイパーブランチアミノ多糖の合成

3. 無保護糖オキサゾリンの化学

前章では、保護された糖オキサゾリン誘導体が、N-アセチル-β-グルコサミニド合成の優れた糖供与体であること、また、保護基は位置および立体選択性の発現において重要な役割を担っていることを述べた29。本章では、ヒドロキシ基を保護していない無保護の糖オキサゾリンの化学を紹介しよう。まず、糖オキサゾリンの水中における一段階合成について述べる。次に、生成した無保護糖オキサゾリンと低加水分解活性を有するN-アセチルグルコサミニダーゼを用いて、キトオリゴ糖誘導体や糖タンパク質をきれいにつくる新しい技術について解説する。また、非酵素的な糖オキサゾリン環の開環反応についてもふれてみたい。

3-1.歴史的背景

ヒドロキシ基が保護された糖オキサゾリンに関しては、古くから多くの有機反応が知られていた。これに対し、無保護の糖オキサゾリン体が登場したのは1996年のことである。N,N’-ジアセチルキトビオースのオキサゾリン体をモノマーとするキチナーゼ触媒による重合反応が報告された30。これは糖オキサゾリンが酵素に認識されることを示した初めての例である。この発見がきっかけとなり、無保護糖オキサゾリンを供与体とする酵素的グリコシル化反応がこれまで数多く報告されている31

さて、無保護糖オキサゾリンの化学を大きく発展させることになったもう一つの転換点は、ホルムアミジニウム塩である塩化2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウム(DMC)を用いる糖オキサゾリンの一段階合成法が見出されたことである32。この発見がきっかけとなり、“水中における脱水プロセス”によって、N-アセチルグルコサミニド骨格を、保護基を使わずに構築する一連の研究が報告されるようになった。

3-2.水中での脱水反応をいかに行うか

ここで糖質化合物と水分子との間の親和性に着目してみよう。グルコースの4C1コンホメーションは、水分子がつくるトリジマイト構造にぴったりと適合することが報告されている33,34。このことは、グリコシル化反応(糖のヘミアセタールとアルコールの脱水反応)を行う際の最適溶媒が水であることを示唆している。しかしながら、グリコシド加水分解反応の標準自由エネルギー変化が大きな負の値であること、つまり平衡が加水分解生成物側に大きく偏っていることから、水中での分子間脱水縮合は極めて不利な反応となる。

水中での脱水プロセスによるN-アセチルグルコサミニドの合成を紹介しよう。このプロセスは二種類の素反応から構成されている(図 6)。一段階目の反応は水溶性脱水縮合剤による分子内脱水反応であり(図 6、ステップA)、二段階目の反応はグリコシダーゼ、プロトン酸を触媒とする分子間付加反応である(図 6、ステップB)。ここでは分子間の脱水縮合が一種類の反応ではなく、二種類の素反応(ステップAとステップB)により達成されていることに注目しよう35

図6
図 6. 水中におけるN-アセチルグルコサミニド化プロセス。プロセス全体は、水溶性脱水縮合剤による分子内脱水反応とグリコシダーゼ、プロトン酸触媒による分子間付加反応という二つの素反応から構成される
3-3.水中における糖オキサゾリンの一段階合成

原理的に無保護の糖オキサゾリン合成は、2-1節の方法で合成した完全アセチル化オキサゾリン体の脱アセチル化により達成されると考えられる。しかし、この方法は官能基変換を注意深く行わなくてはならず、また、ヒドロキシ基の保護/脱保護が必須である。無保護状態でオキサゾリン化を行うことができれば、複雑な構造のオリゴ糖オキサゾリン誘導体の合成が可能になり、その実用的価値は非常に高い。このように、保護基を使用しない糖オキサゾリン合成法の開発が強く求められていた。

2004年、水溶性カルボジイミドを脱水縮合剤して用いることにより、保護基を用いない糖オキサゾリン合成が初めて達成された36。しかし、O-イソウレア型反応中間体の活性が低く、収率は37%にとどまっていた。そこで、より活性の高い脱水縮合剤を用いれば収率が向上するものと考え、カチオン型ホルムアミジニウム塩型の脱水縮合剤として知られていた塩化2-クロロ-1,3-ジメチルイミダゾリニウム(DMC)37,38を用い反応を試みたところ、収率が飛躍的に向上することが分かった32

この方法は複雑な構造を有するオリゴ糖にも適応可能であった(図 7)。一般に、既往の方法でキトオリゴ糖を誘導化することは困難である。本法を用いれば対応するオキサゾリン誘導体を好収率で合成することができる。また、分子内に硫酸基をもつ単糖やシアル酸を有する複合型オリゴ糖のオキサゾリン化も可能である。

図7
図 7. DMC試薬による保護基を用いない水溶液中での糖オキサゾリンの一段階合成

2位のアセタミド基とヘミアセタールからオキサゾリン環を構築する試薬として、DMC試薬の改良が行われている。すなわち、ベンゼン環をもつホルムアミジニウム塩として、塩化2-クロロ-1,3-ジメチル-1H-ベンズイミダゾリニウム(CDMBI)が開発された39。反応の進行とともに生成するCDMBI の分解物である1,3-ジメチル-1H-ベンズイミダゾール-2-オン(DMBI)は、水に不溶であり沈殿するため、生成糖オキサゾリンとDMBIとの分離操作を行うことなく、引き続き酵素反応に使用することができる40,41。無保護N-グリカンオキサゾリンの合成に関しては、フェアバンクスによる総説があるので参考にされたい42

3-4.反応機構

オキサゾリン化反応は、まずβ配向のヘミアセタールがDMCを攻撃し活性な反応中間体が生成する(図 8)。引き続き、分子内環化反応が速やかに進行し糖オキサゾリン3が生成する。α配向のヘミアセタールも同様にDMCと反応して中間体が生じるが、これはへと変換された後、これと平衡にあるを経由することにより、最終的にすべてのN-アセチルグルコサミンがオキサゾリン体へと変換される。

図8
図 8. 活性中間体2βを経由する糖オキサゾリン生成機構
3-5.N-アセチルグルコサミニダーゼはオリゴ糖をまるごと転移する

3-5-1. グリコシダーゼの相補性
21世紀の合成化学者は、多くの先人たちが蓄積してきた触媒技術に関する化学的知見だけでなく生物学的な知見の恩恵を強く受けている。グリコシド結合を加水分解するグリコシダーゼは相補的な性質を示す。すなわち、加水分解活性と糖転移活性である。自然界においては、さまざまなグリコシル化合物を加水分解する一方で、特別な条件下ではグリコシド結合の生成反応の触媒として機能する。実際、N-アセチルグルコサミニド結合を加水分解する酵素であるN-アセチルグルコサミニダーゼは、糖鎖工学分野における糖転移反応に頻繁に用いられている43-45

3-5-2. グリコシダーゼ触媒による糖転移反応は完全に立体選択的に進む
グリコシダーゼを触媒として用いることにより、糖転移反応を完全立体選択的に行うことができ、その結果単一の異性体のみを得ることができる。これは、活性中間体へのヒドロキシ基の攻撃が目的物を与える側からのみ起こり、望まない異性体を与えるような逆側からの攻撃が、アミノ酸残基との立体障害により不可能となるからである。例えば、β-グルコシダーゼ触媒による糖転移反応は立体選択的にβ-グルコシドのみを与えることが知られている。

3-5-3. 高い位置選択性をいかに達成するか
グリコシダーゼは、加水分解のモードによってエキソ型とエンド型に大別される(図 946。エキソ型は糖鎖の末端からグリコシド結合を切断する。これに対し、エンド型酵素は糖鎖の内部に存在するグリコシド結合を切断する。エンド型グリコシダーゼの糖供与体が取り込まれるサブサイトと、糖受容体が取り込まれるサブサイトは隣接していることから、受容体のヒドロキシ基のうち一つのヒドロキシ基のみが、糖供与体のアノマー炭素を位置選択的に攻撃できる。このような厳密な分子認識のおかげで、エンド型グリコシダーゼ触媒による糖転移反応を位置選択的に行うことができる。

図9
図 9. エキソ型グリコシダーゼとエンド型グリコシダーゼの分子認識
A: エキソ型酵素は位置異性体の混合物を与える。
B: エンド型酵素は、受容体を厳密に認識するため、単一の位置異性体を与える。

3-5-4. Substrate assisted catalysis47
キチンのN-アセチルグルコサミニド結合を加水分解する酵素であるキチナーゼは、そのアミノ酸配列類似性によりGH18とGH19という二つのファミリーに分類される(GHファミリー:糖加水分解酵素ファミリー)。最近、Bacillus circulans WL-12由来のキチナーゼA1が、オキサゾリニウムイオン中間体を経由して進行することが明らかにされた48。切断されるグリコシド結合の酸素原子がカルボキシル基によりプロトン化されるのと同時に、アミドのカルボニル基がアノマー位を攻撃することにより分子内環化が起き、オキサゾリニウムイオン中間体が生成する。生成した中間体に水あるいはアルコールが攻撃することにより、加水分解物あるいはグリコシドが生成する(図 10)。

図10
図 10. エキチナーゼ触媒によるオキサゾリニウムイオン中間体を経由する糖転移反応
R=H: 加水分解, R = アルキル又は糖残基: グリコシド生成

3-5-5. 糖オキサゾリンと低活性グリコシダーゼの組み合わせは不可逆的な糖転移を可能にする
通常、4C1立体配座をもつ糖供与体1と反応中間体(オキサゾリニウムイオン)の間の活性化エネルギーEa-A は極めて大きい(図 11A)。したがって、糖転移反応を進行させるためには、活性の高い酵素触媒を用いEa-A を減少させる必要がある。しかし、高活性な酵素を用いると、生成したグリコシドの加水分解を併発し、ヘミアセタールとアルコールが副生し収率が低下してしまう。それでは、どのようにして生成グリコシドの加水分解を防げばよいであろうか? この問題を解決するため、“活性化基質と低活性酵素を組み合わせる”という新しい考え方が提唱された。糖オキサゾリン供与体を用いた場合の活性化エネルギーEa-B は、Ea-A に比べかなり小さいことが分かるであろう。その結果、糖転移反応がスムーズに進行するようになる。さらに、Ea-B が十分に小さくなった分、活性の高い酵素を用いる必要がなくなる。つまり、意図的に活性の低い酵素49を用いることにより、生成物の分解を伴うことなく糖転移反応を行えるようになるのである(図 11B)。

図11
図 11. N-アセチルグルコサミニダーゼ触媒による糖転移の反応座標
A: 従来の糖供与体1を用いた場合、活性化エネルギーEa-A を低下させるために高活性な酵素が必要
B: 糖オキサゾリン2を用いると、活性化エネルギーEa-B が十分小さくなるため低活性な酵素で十分

3-5-6. 低加水分解活性キチナーゼをどのようにデザインするか 50
キチナーゼはキチンのβ-1,4グリコシド結合を切断する酵素である51Bacillus circulans WL-12由来のキチナーゼA1は、7個のサブサイト(-5から+2)を有しており、触媒部位は-1サブサイトと+1サブサイトの間に存在している(図 1252。433番目のトリプトファンは、-2サブサイトの近傍に位置しており、CH/π相互作用によりGlcNAcユニットをしっかりと固定することに貢献している53

これらの事実を踏まえ、トリプトファン433をアラニンに置換することで低加水分解活性をもつキチナーゼA1(W433A)が部位特異的変換導入により調製された54

図12
図 12. キチナーゼA1にある7個のサブサイト(-5 サブサイトから +2サブサイト)に取り込まれたキトヘプタオース(緑色部分)。-2サブサイト近傍に存在するトリプトファン433 (Trp433) (赤色で表示)が他のアミノ酸に変換されることにより酵素の加水分解活性が低下する。

3-5-7. キトオリゴ糖誘導体の合成
N-アセチルラクトサミンのオキサゾリン体(Gal-GlcNAc-oxa)を糖供与体、キトビオース(GlcNAc-GlcNAc)を糖受容体として用いるキチナーゼA1触媒による糖転移反応が進行し、対応する4糖(Gal-GlcNAc-GlcNAc-GlcNAc)が96%の収率で得られる55。この反応は、糖オキサゾリンという活性化された基質と低加水分解活性グリコシダーゼを組み合わせる糖転移反応の初めての例である。この反応の応用として、キトペンタオースのオキサゾリン体((GlcNAc)5-oxa)を供与体、キトビオース((GlcNAc)2)を受容体とする変異型キチナーゼ触媒による糖転移反応により、キトヘプタオース((GlcNAc)7)が合成されている(図 1356。オリゴ糖オキサゾリン体である(GlcNAc)5-oxaが一段階で合成可能になったことで、これまで合成困難とされていたキトヘプタオースの調製が各段に効率化されたことは特筆に値する。本反応に関連して、オリゴ糖オキサゾリン体((GlcNAc)n-oxa (n = 2,3,4,5))とGH18の一つであるA. thaliana 由来キチナーゼCおよびCycas revolta 由来キチナーゼ活性サイトとの相互作用に関し、新しい知見が等温滴定熱測定(ITC)により得られている57

図13
図 13. 変異型キチナーゼ触媒によるキトペンタオースオキサゾリン供与体を出発原料とするキトヘプタオース誘導体の合成

3-5-8. 糖タンパク質合成への応用
構造明確なオリゴ糖鎖をタンパク質上に導入する技術を開発することは、医薬品開発分野における最重要課題の一つとなっている。3-5-5節で述べた“活性化基質と低活性酵素を組み合わせる”という新しい考え方に基づいた糖転移反応は、エンド型N-アセチルグルコサミニダーゼ触媒を用いる糖タンパク質合成に応用されている。エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼは、N-結合型オリゴ糖鎖中に存在するキトビオースユニットの二つの GlcNAc の間を切断して、GlcNAc を還元末端にもつオリゴ糖とGlcNAc が一つだけアスパラギン部位に結合したタンパク質を生成する酵素である。

2001年、糖オキサゾリン基質がエンド-N-アセチルグルコサミニダーゼにより認識されることが初めて明らかにされた(図 1458。すなわち、マンノースとN-アセチルグルコサミンからなる二糖のオキサゾリン体(Man-GlcNAc-oxa)を供与体に、GlcNAcのp-ニトロフェニル誘導体を受容体として用い、Mucor hiemalis由来のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(Endo-M)59あるいはArthrobacter protophormiae由来のエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ(Endo-A)60を触媒とする糖転移により、対応する三糖誘導体(Man-GlcNAc-GlcNAc-O-pNP)が生成することが見出された。また、この実験事実を基に、エンド-β- N-アセチルグルコサミニダーゼの加水分解反応および糖転移反応に関して、オキサゾリニウムイオンを中間体とする新たな機構が提案された。

図14
図 14. 糖オキサゾリンを供与体に用いるエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼによる糖転移反応の最初の例

二糖供与体であるMan-GlcNAc-oxa がエンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼにより認識されたという実験事実はその後、3-3で述べた糖オキサゾリンの一段階合成法と相まって、糖鎖リモデリング抗体や抗体薬物複合体(ADC)に代表されるさまざまな糖タンパク質の創出へと新たな展開を見せている(図 15)。これに関連する最近の報告の一部を表 1に時系列順にまとめた58,61-97。糖タンパク質の化学‐酵素法による合成については最近の総説も参考にされたい98-101

図15
図 15. 糖オキサゾリン供与体を用いる均一糖鎖をもつ抗体の合成
表 1. 糖オキサゾリンを用いるエンド-β-N-アセチルグコサミニダーゼ触媒による糖転移反応

糖オキサゾリン供与体 糖受容体 エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ触媒 文献
Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-O-pNP エンド-A, エンド-M 58
Man3GlcNAc-oxa GlcNAc-peptide エンド-A, エンド-M 61
Man3GlcNAc-oxa (GlcNAc)2-peptide エンド-A 62
mono-,di-,tri-,hexa-Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-Z-Asn エンド-M 63
Gal2Man3GlcNAc-oxa GlcNAc-RNase B エンド-A 64
Man9GlcNAc-oxa, Man3GlcNAc-oxa GlcNAc-pentapeptide エンド-M (N175A) 65
Man3GlcNAc-oxa GlcNAc-Asn エンド-M, エンド-A 66
Man3GlcNAc-oxa GlcNAc-RNase B エンド-A (E173H) 67
Man3GcNAc-oxa    Glc-リトコール酸 エンド-A 68
(GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-Asn エンド-A 69
(Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
Man9GlcNAc-oxa
GlcNAc-peptide
GlcNAc-RNase
エンド-M (N175A)
エンド-A (N171A)
70
Man9GlcNAc-oxa
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
GlcNAc-CD52 エンド-M (N175Q) 71
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-RNase B エンド-M (N175Q) 72
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-pentapeptide GlcNAc-RNase エンド-A
エンド-M (N175A)
73
Gal-Glc-Man9GlcNAc-oxa GlcNAc-RNase エンド-A (N171A) 74
N-glycan-oxa GlcNAc-Fc homodimer エンド-A 75
Man3GlcNAc-oxa GlcNAc(Fuc)-IgG エンド-S 76
N-glycan-oxa GlcNAc-rituximab エンド-S (WT), エンド-S (D233A),
エンド-S (D233Q)
77
Man3GlcNAc-oxa GlcNAc(Fuc)-Fmoc-Asn GlcNAc(Fuc)-IgG エンド-D (N322Q, N322A) 78
(Gal-GlcNAc-Man)2-Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-saposin C エンド-M (N175Q) 79
(Gal-GlcNAc-Man)2-Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-glycopolypeptide   エンド-M (N175Q) 80
(Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
GlcNAc-Ig domain エンド-M (N175Q) 81
Man3GlcNAc-oxa
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
GlcNAc-pramlintide エンド-A (E173H)
エンド-M (N175Q)
82
Man3GlcNAc-oxa
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
Fmoc-Asn (3-O-Bn, 4-O-Bn,
6-O-Bn,3-O-Fuc)
エンド-M (N175Q)
エンド-D
83
Man3GlcNAc-oxa
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
GlcNAc-pramlintide エンド-A
エンド-M (N175Q)
84
Man3GlcNAc-oxa, GlcNAc2Man3GlcNAc-oxa
(Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
GlcNAc-trastuzumab エンド-S (D233Q) 85
N-glycan-oxa (12例) GlcNAc-rituximab エンド-S (D233Q) 86
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa GlcNAc(Fuc)-trastuzumab エンド-S (D233Q) 87
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-RNase B エンド-CC (N180H) 88
(Gal-GlcNAc-Man)2(GlcNAc)Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-IgG1 Fc peptide エンド-M (N175Q) 89
N3-tagged (NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-mAb, GlcNAc-Fc エンド-S (D233Q/Q303L) 90
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-Fmoc-Asn エンド-M (N175Q) 91
(R-NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
R = N3(CH2CH2O)3CH2CH2NH- (for ADC)
GlcNAc(Fuc)-IgG エンド-S (D233Q) 92
(F-NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-rituximab エンド-S2 (D184Q) 93
(PEG)2-Man-GlcNAc-oxa GlcNAc-O-pNP
GlcNAc-RNase B
エンド-M
エンド-A
94
N3-, cyclopropen-, norbornene-tagged
(NeuAc-Gal-GlcNAc-Man)2Man-GlcNAc-oxa
GlcNAc(Fuc)-trastuzumab エンド-S2 (D184M) 95
N3-, biotin-, TAMRA-tagged Man-GlcNAc-oxa GlcNAc(Fuc)-trastuzumab エンド-S2 96
(Man-6-phosphate)-Man-Man-GlcNAc-oxa GlcNAc(Fuc)-trastuzumab, cetuximab エンド-S2 (D184M) 97


略 語
Man:マンノース
GlcNAc:N-アセチルグルコサミン
Gal:ガラクトース
NeuAc:N-アセチルノイラミン酸
-oxa:オキサゾリン
N3:アジド
ADC:抗体薬物複合体
F:フッ素
PEG:ポリエチレングリコール
TAMRA:carboxytetramethylrhodamine
Man-6-phosphate:マンノース-6-リン酸
pNP:p-ニトロフェニル
Asn:RNase:リボヌクレアーゼ
mAb:モノクローナル抗体
CD52:Gly-Gln-Asn(GlcNAc)-Asp-Thr-Ser-Gln-Thr-Ser-Ser-Pro-Ser
IgG:免疫グロブリンG
Fuc:フコース
Fmoc: fluornylmethyloxycarbonyl
Ig domain: immunoglobulin domain
Bn:ベンジル
エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ
エンド-A: Arthrobacter
protophormiae由来
エンド-M: Mucor hiemalis由来
エンド-S: Streptococcus pyogenes由来
エンド-D: Streptococcus pneumoniae 由来
エンド-CC: Coprinopsis cinerea由来
WT: 野生型
アミノ酸一文字表記
A:アラニン, N:アスパラギン, D:アスパラギン酸, Q:グルタミン, E:グルタミン酸, H:ヒスチジン, L:ロイシン, M:メチオニン
3-6.無保護糖オキサゾリン供与体を用いる化学的グリコシル化とライゲーション

水溶液中DMC試薬を用いることにより、無保護2-アセタミド糖とフェノールからオキサゾリン中間体を経由するグルコサミニド化反応が報告されている102,103。反応は、まず水中で2-アセタミド糖にトリエチルアミンの存在下、-10 ℃においてDMC試薬を加え30分間反応させる。溶媒を凍結乾燥により除去した後、極性溶媒に溶解しフェノールを加え、マイクロ波を80℃で30分照射することにより行われた。

糖オキサゾリンを経由する1,2-トランスグリコシドおよび1,6-二糖のワンポット合成が報告されている104。また、保護基を用いないβ-グリコシルエステルおよびアリールβ-グリコシドの合成が、N-アセチルグルコサミンのオキサゾリン供与体を用いて達成されている105

無保護の糖オキサゾリンが第一級アミンと反応して、糖イミダゾール誘導体を与える新しい有機反応が見出された(図 16106,107。この反応は、還元末端にGlcNAc 部位を有する糖鎖を、ペプチド、タンパク質、核酸などの生物学的に重要な化合物に付加する簡便な方法になるものと期待される。

図16
図 16. 糖オキサゾリンと第一級アミンの反応

4. まとめと展望

本稿では、ヒドロキシ基が保護されたオキサゾリン体と保護されていない無保護のオキサゾリンの合成法について解説した。また、得られたオキサゾリン体を糖供与体とする糖転移反応により、糖タンパク質に代表される“ハイブリッド天然物108を合成する手法について解説した。とりわけ、無保護糖オキサゾリン体と変異型N-アセチルグルコサミニダーゼを組み合わせ用いることにより、極めて効果的なグリコシル化が可能となり、その方法論が機能化オリゴ糖や構造明確な糖鎖をもつ糖タンパク質合成に必要不可欠なツールであることを強調した。

今後以下に掲げるいくつかの課題を解決するための基本研究が求められる。すなわち、1)バイオマス資源から恒常的にオリゴ糖リファイン化原料を調達する方法、2)人工知能による生体触媒の構造と機能の解明、3)無保護アノマー活性化法の2-アセタミド糖以外の糖質への展開、4)遺伝子工学を駆使した生体触媒の量産化等である18,109。これらの課題を解決するため、糖化学者と糖鎖生物学者との実り多いコラボレーションが今後ますます重要になっていくであろう。


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