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Current Issue

Glycan and Database

レクチンのデータベースの現状(LfDB, LM-GlycomeAtlas, GlyCosmos Lectins - MCAW-DB)

細田 正恵 / 安形 清彦

last updated 2019/10/01(2019 Vol.22 (4), A10)

本シリーズの第4回では、レクチンに関するデータベース(DB)について説明いたします。一般的に糖鎖に結合する分子はレクチンと呼ばれています。植物に存在するレクチンは生物学においても長い間研究され、生理学的な活性の研究から細胞や糖鎖の研究用のツールとしても用いられています。動物の細胞や体内でも、糖鎖に結合する機能分子としてガレクチンやカルネキシンなどが重要な働きをしています。細菌から植物や動物まで様々な生物において、レクチンとしては知られていなくてもレクチン様活性を示す分子が数多くあります。ここでは、糖鎖研究に有用な様々なレクチンやその活性についてまとめているDB(LfDB, LM-GlycomeAtlas, GlyCosmos Lectins - MCAW-DB)を紹介します。

Glycotopics

膵α-アミラーゼのN-型糖鎖認識と糖質消化・吸収調節

伊達 公恵

last updated 2019/10/01(2019 Vol.22 (4), A11)

アミラーゼは、1833年に発見された初めての酵素である。デンプンなどの多糖類をマルトオリゴ糖やマルトースにまで分解する消化酵素で、古くから現在まで、その基質特異性の解析や阻害剤の開発が盛んに行われている。膵α-アミラーゼは、膵臓で合成後に小腸に分泌されて多糖類の消化を行う。我々は、膵α-アミラーゼが糖タンパク質のN-型糖鎖に結合するという発見をきっかけに、これまでの消化酵素としてのアミラーゼ研究とは少し異なる視点から研究を行っている。最近、膵α-アミラーゼは、その糖結合性により、小腸内における膵α-アミラーゼの局在決定や糖質消化・吸収の調節など、多糖類の消化以外の機能があることが分かってきたので、紹介する。

Infections disease and Glycomicrobiology

A型インフルエンザウイルスヘマグルチニンのレセプター結合特異性に関する研究の最近の進歩

ノングラック・スリウイライジャロエン / 鈴木 康夫

last updated 2019/10/01(2019 Vol.22 (4), A12)

A型インフルエンザウイルスにより引き起こされるインフルエンザは地球規模に広がる人獣共通感染症の一つであり、時には世界流行(パンデミック)を引き起こし、やがて季節性インフルエンザとなる。現在は、1968年パンデミック由来のH3N2および2009年パンデミック由来のH1N1亜型が季節性インフルエンザとしてヒト間で流行している。A型インフルエンザウイルスは2つのスパイク糖タンパク質、ヘマグルチニン(HA)およびノイラミニダーゼ(NA)を持つ。これらは、それぞれ、H1-H18、N1-N11の亜型を持つ。H17N10およびH18N11は、最近、コウモリから発見されたが、これらの感染にはシアル酸含有糖鎖は関わっていない。H1-H16 HAおよびN1-N9 NA 亜型は野生水鳥に見いだされるが、そのうちの一部は種々の動物にも存在する。H1-H16 HAは宿主レセプターのシアル酸含有糖鎖への結合、宿主細胞へのウイルスの侵入に関わる。一方、NAは宿主の疑似/真のレセプターのシアル酸の加水分解と宿主細胞からのウイルス粒子の遊離に関わる。シアル酸含有糖鎖は広く動物に分布しており、その化学構造も動物種、組織により異なっている。シアル酸含有糖鎖レセプターへの結合特異性は、シアル酸の結合様式との関連でこれまで広く研究されてきた。最近の化学および生物学的技術および機器の進歩により、H1-H16 HAはシアル酸含有糖鎖レセプターを用いるが、H17-H18 HAはシアル酸不含のレセプターを用いるなど、A型ウイルスのレセプター認識特異性に多様性があることも明らかになってきた。今回、A型インフルエンザウイルスのレセプター結合特異性に関する最近の進歩についてまとめた。

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