エンド-β-N-アセチルグルコサミニダーゼ (ENGase)は、様々な生物が保有する糖鎖を切断する酵素であるが、その触媒残基を改変することにより、グライコシンターゼとしてN-型糖鎖の改変へ活用できることが明らかとなってきた。
本シリーズでは糖鎖工学に関わるENGaseの研究の進歩について、それぞれの課題に取り組む研究者に解説して頂く。 ...and more
シクロデキストリン(CD)包接化合物結晶を粒子界面に析出させたPickeringエマルションが注目されている。植物ステロールエステル(PSE)とγ-CDからなるPickering エマルションでは、カプサイシンのマスキングや薬物放出制御に有効であることが示されている。しかし従来の報告は粒径が1 μm以上であり、そのナノ粒子化は十分に検討されていない。本研究では、PSEの主成分であるオレイン酸コレステリル(ChO)を用い、調製条件を工夫することでChO/γ-CDナノ粒子の調製に成功した。本ナノ粒子はChO結晶をコアとし、複数のChO/γ-CD包接化合物結晶からなるナノシートがシェルを構成する特異的なコアシェル構造を有していた。さらに、加熱及び胆汁成分に応答して構造変化を示す二重刺激応答性が認められた。本ナノ粒子は安価、調製が簡便、安全性の高い原料を用いているなど実用性が高く、刺激応答性キャリアとして各分野における展開が期待される。 ...and more
現代の通信は、携帯電話に代表される電波による無線通信と、光ファイバーに代表される光による有線通信によって成立している。これらの通信装置において、石油合成プラスチックは、金属回路の絶縁材や光の導波路として唯一無二の役割を果たしている。一方で、二酸化炭素削減の観点から、バイオマスプラスチックの利用が求められている。しかし通信装置への適用は極めて限定的である。そこで我々は、再生可能資源である多糖から、先端通信装置に利用できる性能を有するプラスチック材料の開発を目指している。本稿では、高周波基板の絶縁材を志向した高耐熱性かつ低誘電特性を有する多糖エステルフィルムと、光ファイバーとして利用できる高透明で高強度な多糖繊維について紹介する。 ...and more