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Galectins

ミルクオリゴ糖とガレクチン

浦島 匡 / 平林 淳

last updated 2021/04/01 (Glycoforum. 2020 Vol.24 (2), A3)

哺乳動物の乳/初乳は通常主要な糖質としてラクトース(Galβ1-4Glc)以外に、各種ミルクオリゴ糖を含んでいる。その大半はラクトース骨格を還元末端側に含み、多くはガラクトース(Gal)、N-アセチルグルコサミン(GlcNAc)、フコース(Fuc)、N-アセチルまたN-グリコリルノイラミン酸(Neu5AcまたNeu5Gc)、またN-アセチルガラクトサミン(GalNAc)を構造内に含んでいる。例えばヒト乳には、12〜13 g/Lの濃度注1)の、250種類以上のミルクオリゴ糖が含まれ、そのうち現在までに170種類近くの化学構造が決定されている1。本稿ではミルクオリゴ糖の概要紹介とともに、ガレクチンにまつわる未解決問題を解決するための独自の探索ツールとしてのミルクオリゴ糖の利用可能性を展望する。

Glycotopics

セルロース合成酵素 −常温常圧水系溶媒下で高分子を構造制御する分子−

今井 友也

last updated 2021/04/01 (Glycoforum. 2020 Vol.24 (2), A4)

セルロースは天然多糖であり、機能的に構造多糖に分類される。セルロースの優れた強度は複数本の分子鎖が集合し、I型結晶と呼ばれる高い結晶弾性率を示す構造をもつことに起因する。このような高分子集合構造が酵素タンパク質により合成されるという事実から、セルロース生合成は常温常圧水系溶媒下で高分子鎖を制御して最強構造を合成するメカニズムであると言える。通常の汎用高分子の成形において高温高圧あるいは厳しい溶媒条件が使われることと比較すると、セルロース合成酵素は極めて高度な高分子構造制御機構を有していることを意味している。 本稿ではこのメカニズム解明を目指して我々が10年以上取り組んできたセルロース合成酵素のセルロース合成活性を再構成する取り組みを紹介させて頂く。

Glycotopics

架橋したピラノース環を利用した最小シクロデキストリンの化学合成

若森 晋之介

last updated 2021/04/01 (Glycoforum. 2020 Vol.24 (2), A5)

シクロデキストリン(CD)は、α-1,4-D-グルコピラノシドの環状オリゴマーで、分子の中央にある空孔が小分子を包摂する機能を有し、環状6〜8量体(CD6—8)が広く応用されている。大きなCDではCD数百まで知られている一方で、小さなCDではCD5の化学合成が報告されているのみであった。さらに小さなCD4とCD3は分子サイズがあまりに小さく、ピラノース環が安定なイス型配座を取ることができないため、これまで合成されたことがなかった。本稿では、CD4とCD3両方の化学合成について記述する。合成に成功した主要因は、D-グルコースの3位と6位酸素を架橋する官能基の開発である。すなわち本架橋基によって、CD4とCD3の合成に必要な立体選択的グリコシル化反応とピラノース環の立体配座の柔軟化が実現した。

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